イコリアリミテッド環境予想
こんにちは。
イコリアのフルスポイラーが出てから少したちました。みなさんどのようにお過ごしでしょうか。僕は暇すぎてフルスポイラー発表直後から休日を活かしてエクセルにカード情報を打ち込んで分析データを作っていました。
イコリアの店舗プレリリースはなくなりましたが、アリーナのリミテッドでは対人ドラフトが実装されるのでリミテッド環境を理解しておくことに越したことはないでしょう。そして環境を理解するためには何事にも予想からということで、イコリアリミテッド環境を予想したいと思います。
- キーワード能力と環境
- 生物環境
- 除去環境
- バットリ環境
- 多色化に関する議論
- ゲームレンジに関する議論
- その他
1.キーワード能力と環境
変容:最重要キーワードその1
イコリアの核となるキーワード能力です。人外に変容コストでオーラ(授与)のようにカードにつける(合体)ことができます。変容が無事解決された場合、『変容したとき~』の能力が誘発します。変容解決時、除去などで対象が不適正になった場合は、そのまま変容とは扱わず、普通の生物として場に出ます。イコリア環境では『戦場に出たとき~』能力持ちの生物が少なく、『変容したとき~』能力持ちの生物がその分登場していると考えられます。
①飛行やトランプルが付与されたりするのはもちろん、変容した生物のサイズが強化されることで盤面を強くしたり、破壊やサーチなどの誘発能力で簡単にアドバンテージを得られるようなデザインとなっています。
サイクリング:最重要キーワードその2
再録キーワード能力です。サイクリングコストを払ってカードを捨てると1ドローできます。序盤の土地スクリューを回避しつつ、サイクリングしないカード本来の効果も持っているのでデッキの安定化に役立ちます。イコリア環境では『サイクリングしたとき~』誘発能力を持つカードやサイクリング自体に『生物1体に飛行カウンターを置く』などの良いことが起きるサイクリングカードが登場しており、アーキタイプによっては強烈なシナジーが発生するテーマとなっています。
②サイクリングでアドバンテージを稼いだり、コンバットトリックもどきのような恩恵が得られたりできる。起動能力なので、環境にあるカウンター呪文に引っかからない点もポイントです。
新しいカウンターの概念:重要
+1/+1カウンター以外の新しいカウンターの概念として常盤木カウンター(飛行、先制攻撃、接死、呪禁、絆魂、威迫、到達、トランプル、警戒)が存在します。今までの環境でありがちだった『~+3/+3修正とトランプルを得る』のようなコンバットトリックのカードが、イコリア環境では『~+3/+3修正を受ける。それの上にトランプル・カウンターを置く』というように永続的に能力が得られるデザインとなっているものになっていたりします。
③コンバットトリックで戦闘を制した場合、強化された生物が盤面に居座ることになります(強い)。
相棒:そこまで重要ではない
デッキ外から唱えることができる統率者のようなカードです。ゲーム開始時(シャッフルの時)にサイドボードの相棒カードを公開するルールとなっています。サイドボードから呪文を唱えることができるので、単純に1枚のアドバンテージが約束されていますが、デッキ構築を大幅に制限するデメリットを内包しています。リミテッドでは、そもそも都合よく制限を満たすカードが23枚用意できるかどうかは運の要素が大きく、仮にカードパワーを犠牲に組めたとしても恩恵はアドバンテージ1枚ですので、相棒を宣言せずにメインデッキに投入し、強いカードを詰め込んだ相棒宣言なしデッキの方が戦える可能性があり、リターンはそれほど大きくはないといった感じです。
④奇数はもしかしたら行けるかもしれないが、起動型縛りは無理w
2.生物環境
⑤コモン・アンコモンの全体パワータフネス平均値、飛行のパワータフネス平均値、到達生物比較、生物カウント、楔3色時生物カウント
(以下、言及している内容やカード枚数はコモン・アンコモンの話で(神話含む)レアは一旦除外します)
生物は全体的にタフネス偏重です。(パワー比+0.2~+0.6)
パワーの平均を下げている原因は青でタフネスが上がっている原因も青です。
他の環境にはよくいるパワー偏重な黒飛行生物が存在しません。(レアの飛行持ちはいます)
到達生物はしっかり仕事できそうです。つまり飛行で攻撃する側は「3マナパワー3」「5マナパワー5」を超える手段が必要です(対赤、対緑相手)
白の生物が多く、青の生物の数か少ない関係上、スゥルタイ、ティムールは(特に2マナ域の)生物の選択肢が少ないです。逆に白は重い生物がそれほど存在しません。
3.除去環境
⑥各マナ域の最高タフネス
以下感想です。
2点は信用ならない
3点は3マナ域には通用したりしなかったりする
4点は5マナ域までは大体通る
飛行4点はほぼ確定除去
環境の5点火力が土地参照、墓地参照くらいしか目途が立つものがない→タフ5であれば環境にある除去をある程度耐える可能性大
ロングゲームのプランをとる場合、いかに早く盤面にタフ5を設置できるかというアプローチがありそうです
白:
パワー4は赤>緑>黒>>>青>白 の順に多いです。
実際はレアのボムやオーラ強化があるので、ウィニー相手でなければ、見た目以上に範囲は広いです。
青:
カウンター3種存在しています。
4種でした。
黒:
枚数が多くて草。玉石混合しているので選定は重要。
赤:
注目はタフネス5以上の除去がおおむね保証されるカードが土地参照くらいしかないことです。ウィニーを焼くのは得意ですが、タフな生物の対抗手段は赤では厳しいかもしれないですね。
緑:
+7/+7は強制ブロックはほぼ確定除去と言って差し支えなさそう。
多色と無色:
白黒マルチはこの中では抜けて使いやすそうです。トラバサミは顔面にも飛ばせます。今回の赤色のプレイアブルな除去スペルは生物、PWばかりでプレーヤーを対象に取れませんのでそういう意味では結構貴重です。他は重かったり癖が強いです。しかるべきデッキに入っていないと活躍しなさそうです。
4.バットリ環境
白赤緑は1マナからパワータフネス強化してくるものがあるため注意です。
修正値はパワー1(3色共通) タフネス緑は3 白赤は1
青黒は2マナから動いてきます。
バットリが成功したうえでバリューが高いが大きいものは以下の2種
白:ブロック時+1/+1カウンター2個
黒:1/+1絆魂カウンター
修正値最大は緑の+3/+3トランプル
全体修正は黒(3マナ)と白(5マナ)に存在
比較的瞬速生物が多い気がします。青黒に集中(+無色に1種)しており、白にありがちな瞬速枠は生物ではなくバットリオーラになっています。
白黒にプレイアブルなバットリが多く存在しているため、マルドゥ、アブザンのアグロデッキにはバットリが絡むと盤面が崩壊して押し負ける可能性があります。
生物まとめでも言及していますが、白は高マナ域は少ない一方で、2マナの生物が手厚く用意されており、このプランを比較的取りやすいと想定されます。
以下全部ではないですが抜粋
白:
白は1マナバットリが3種類もあります。1マナ立ってたらこれらがある想定で戦闘を進めた方がよさそうです。他にも+2/+2修正と飛行カウンターや全体強化などわかりやすく強力なカードがラインナップとなっています。
青は癖が強いカードが多いです。また瞬速の色なので青黒の場合は除去、瞬速の両構えになるケースが想定されます。
黒
除去と兼務しているカードが多く、相手だけ全体-1/-1もどちらかといえばコンバットトリック用のカードといえます。除去にサイクリングがついているものも2種あり、完全に腐らない利点があります。
赤:
生物を永続的に先制攻撃にできるスペルが強いです。赤はいつも通り頭でっかちの生物が多くいるので相性が良いです。
緑:
1マナバットリは環境に存在するだけで脅威です。フォグスペルはMTGの歴史上、アドバンテージを損するのでアンプレイアブルと言われていますが、今回は戦闘や格闘で一方的に喧嘩に勝てるようになるため、もしかしたら強いのかもしれません。
多色・無色
瞬速生物は(思ったより)結構います。
5.多色化に関する議論
タップインゲインデュアルランド10種
楔サイクルのトライサイクリングランド
進化する未開地
楔サイクルの水晶
緑に生物限定マナクリ、ランドサーチ生物、ランパン生物、サイクリングできる植生、BGのマナクリ
多色化は比較的容易と考えられます。
緑なら4色~5色も状況によっては可能と思われます。
ただし、タップインゲインデュアルランドについては「ラヴニカのギルド」ブロックのように、常にパックに1枚封入されているのか、「基本セット2019」のように、基本土地と特殊土地の可能性があるのかわからないため、なんとも言えません。後者の場合、気軽に3色は難しい気がします。(単純にラヴニカのギルドより難易度高いことになりますね。)4/16に有名プレイヤー等のアーリーイベント配信で確かめた方がいいような気がします。
<4/16追記>デュアルランドは確定封入ではありませんでした。土地貧民の場合2色でしか組めない可能性があります。
6.ゲームレンジに関する議論(6パックシールドの話です)
・5マナ域以降の除去手段が少ない
・また変容生物は4マナを頂点に山の形
予測1(本命)
タフネスが大きい+中堅生物の除去札はかなり用意されている→4マナまでは膠着状態になりやすいが、5マナ以上の(除去されづらい)カードでマウントが取れた後はゲームスピードが速い。その一方でアグロ戦略の色がある(マルドゥ色)
→ラヴニカの献身のような環境?(基本ロングゲーム志向が有利だがラクドスのみアグロ戦略をとるような環境)
予測2(大穴)
2マナ(場合によっては1マナ)からガンガンクリーチャーを展開していく環境。クリーチャーの展開遅れは返しのターンに除去されたり、軽いコンバットトリックをちらつかされ不利なコンバットを仕掛けられるリスクとなりボードへリソース供給が最重要。仮にブロッカーを出せたとしても、環境に変容生物がいるため2マナの賞味期限を延長することができ、攻めを継続できる。
→アモンケットやイクサランのような環境?(2マナ生物をぶつけ合うライフレース環境)
わ”か”り”ま”せ”ん”
7.その他
★フラッド対策について
イコリア環境はサイクリングによって序盤のスクリュー事故は比較的緩和しやすいですがフラッド受けは多くないです。
・各色にあるメンターサイクルが最上位
・ルーター生物 安堵の再会
・アンコモンの白黒、青緑のシステム
・緑1/1 マナ入れると+3/+3
⑦環境に希少なマナの注ぎ先。マナを注ぎ込んでバリューのあるカードが本当に少ないです。重いスペルを唱えるためだけに伸ばすことになることも多いです。ルーティングのために敢えて土地をプレイしない選択肢や、構築段階で土地を少なくするなどの工夫の余地があるかもしれません。
★ETB能力について
全くないことはないですがかなり少ないです。青にブリンクできるカードが収録されていますが、ETB再利用というより変容分解用として使うことが多いかもしれないです。
⑧これをブリンクするのが美味しいのか...
*変容している生物が場を一時離れる場合、帰ってくるときは変容していない状態となります。神話レアのモスラにおいては、飛行を持たない変容生物が死亡した場合、それぞれが変容しておらず飛行カウンターがそれぞれ乗った状態で場に戻ってきます。
⑨モスラがいる状況で右の変容生物が死亡すると3体が分裂しそれぞれ飛行を持って帰ってきます。(悪夢)
★アーキタイプについて
赤白:サイクリング
白青:飛行
青赤:非生物スペル
青黒:瞬速
黒緑:墓地利用
緑赤:トランプル生物
赤黒:威迫
黒白:人間・横並び
白緑:警戒生物
緑青:変容・アドバンテージ
アンコモンやレアの特徴を出しただけです。
★トップコモン・トップアンコモン予想
生物部門と非生物部門で出してみました。皆さんのトップコモン予想とあっている自信はないですw
・終わりに
データ分析は今までもやっていましたが、これほどのアウトプット作業は初めて行いました。どんだけ当たるのか...
4/17(金)が待ち遠しいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考サイト:WotCカードギャラリー
イコリア:巨獣の棲処|カードギャラリー|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト