すぎさんのリミテッド奮闘記　（ＺＮＲプレミアドラフト）

１．環境を視る
２．赤黒パーティデッキ紹介
３．ピック譜
４．終わりに

０．はじめに

まずはこちらをご覧ください

うおおおおお（完走）　#MTGA #MTG pic.twitter.com/P7xULllPq7
— すぎさん (@sugi_sann) 2020年10月25日

アリーナやってから初めてブロンズからミシックランクに到達しました。
ゼンティカーの夜明け環境は何回やっても味がするのでやり得です。

今回はミシックランク到達記念で環境について赤黒デッキの実体験をお話していきたいと思います。
*本内容は卓内8ドラやマッチ戦のドラフト戦略とは異なる（と私自身が思っている）ので予め予防線を張っておきます。（後述）

１．環境を視る

キッカーや上陸，パーティといったゼンディカーの夜明け特有のメカニズムについては割愛します。
有名どころの記事と似たようなことを言ってることもあると思います。

（１）生物のサイズ
[環境のサイズ]
1/1/1

2/2/1

3/3/2

4/3/3
で何らかの能力をもっているものが大半です。
（*マナコスト／パワー／タフネスを示しています）

f:id:sugi_sann:20201029211242p:plain タジュールの荒廃刃マラキールの血僧侶狡猾な泉魔道士カビーラの先導

①ゼンティカーのサイズ感

[アタッカー]
よくある盤面としては
3/3/2　ＶＳ　2/2/1
4/3/3(3/3/3)　ＶＳ　3/3/2(2/3/1)
が発生し得るので，
損する側（左側）としては，アタックやブロックによる交換がしづらく
得する側（右側）としては，アタックやブロックによる交換がしやすい
といえます。

得する理由は2マナのカードと3マナのカードの交換になり，自分より強い（重い）カードと交換できるからお得，（うまくマナを使いきれば）1マナ分手数がお得という観点です。

3マナと4マナの交換も理は同じです。

献身的な電術師タジームの乱動魔道士

名門の吸血鬼岸壁安息所の売剣

②トレードはしたくないけど...

[ブロッカー]
4マナ域まではパワー3祭りのためブロッカーとしてはタフ4が目安となります。
環境には2/1/3や3/2/3のようなアタッカーを受け止められる生物も用意されていますが、攻撃適性が低いものが多いです。
例えば回避能力のない3/2/3の攻撃は同型の3/2/3に加えて3/3/2や4/3/3がブロッカーとして立ちはだかるので原則バックアップが何かないと攻撃は通らないものと考えてよいでしょう。

グロータグの夜走り

③個人的にスポイラーからとても評価を下げた1枚。介護しないとなかなかダメージが通らない。この手のカードは難なくブロッカーにブロックされる。

[4マナまでと5マナ以降]
2マナは3マナの生物，3マナは4マナの生物と交換が発生しやすいのに比べて，
コモン4マナの生物については5マナ生物と交換はしにくく，弱めに設定されているように感じます。
5マナ以降は4マナ生物のより質が良くなるので生物同士の相討ちで１対２交換が取れるようなデザインになっているように思います。

変わり樹の苦行者戦慄ワーム海門の巨像

④重たいマナ域のカードがない場合はこのあたりでやりくりすることになる

[デッキバランス]
デッキのバランスとしては，2/2/1や3/3/2といった攻撃的な生物を主力に据え，
質の良い3/2/3やパーティ・種族カウント・上陸シナジーとして多少弱めの生物を活用する形で脇を固め，5マナ以降のフィニッシュ手段をトッピングするのがいいと思います。（キッカー生物がとれている場合は無理に5マナ域をたくさんとる必要がなくデッキの中身と相談です）

一般的なリミテッドでは4枚ほどの4マナ生物が採用されますが，
個人的にはゼンティカーの夜明け環境でコモン4マナ生物を積み上げることは稀だと思います。体感ですが2マナタワー3マナタワー（採用しすぎ）になりがちです。3マナタワーにする場合は4ターンはタップイン土地のターンで割りきるか，2アクションを狙う構築が良さそうです。2マナタワーで4ターンに2マナ+2マナが個人的には好きな動きです。

ジョラーガの幻想家探検隊の占者

⑤4マナだけど複数投入したいカードもあったりします

（２）スペル
[除去]
体感としては以下の通り
黒≧赤＞青＝白＞＞＞緑

・黒強い（確定除去がすべてを物語っている）
・赤強い（～4点までの除去）
・青は後手で強い泡の罠やバウンスが光っている（あとコンマジ）
・白は3マナ除去（ダブシン）があるがリミテッドでよくあるコモン5マナ確定除去がない
・緑は格闘系スペルと飛行置物対策といつものラインナップ
・エンチャによる除去はパーティやシステムが残ったままになるため，注意が必要

[コンバットトリック]
・+1/+1カウンター，-1/-1修正が最警戒
・+2/+2，+3/+2，+5/+5等の強化に目が行きがちだが，
　-4/-0を筆頭としたデバフも戦闘の目算がずれるため警戒
・デュエリスト（1/1/1瞬速ｰ2/ｰ0切削２）も2/2/1に対する後手の回答になっていて，ならず者，パーティに関係なくてもデッキに入れてよいレベル

・盤面を参照する系はインスタントの応酬で目算がずれないように注意（火力がダウンする，コストが重くなる等）

命取りの協力隠然たる襲撃

f:id:sugi_sann:20201029213207p:plain 狂気の一咬み

ズーラポートの決闘者ナヒリの束縛

訓練された戦術乱動への突入

f:id:sugi_sann:20201029213339p:plain 同期した魔術

凍える罠ムラーサの力
⑥コモンで使える除去やバットリがかなりある

（３）アーキタイプ

大手サイトで紹介されているため詳しい言及はしません。

個人的なアーキタイプtierは以下の通りです。ピック方針としては緑色はなるべく見ないことです。これは卓1緑ができたとしても，卓内の競合した他の色と対戦できるわけではなく，最大値が低い緑へ逃げる戦略が微妙だからです。このあたりはＢＭさんの記事の方が言語化されており，分かりやすいです。

プレミアドラフトはサイドボード不要なため，最強の23枚（この環境はスペル土地があるため25枚程度になることもあります）を選べばOKとなります。

★やりたいカラーリング

tier上位

赤黒　白黒　白青　青黒

青赤　白赤

青緑　赤緑

黒緑　白緑

tier下位

２．赤黒パーティデッキ紹介

私が完走（７勝）したカラーリングは以下の通り

ブロンズ

青黒

赤緑

赤黒

白青

赤黒

ミシック

赤黒は３回完走しています。

３つ中身を見ていきたいと思います。

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⑦ゴールド帯にて。筆頭種族がクレリックで戦士とウィザードが少し。2/2/1パーティドレインは後半でも疑似火力みたいに切っていけるため賞味期限が長い。生物の穴埋め枠として4マナドローを搭載（4/4/3はこれ以降だんだんと使わなくなっていきます）

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⑧プラチナ帯にて。1マナと2マナで10枚。3マナ3枚。4マナ，5マナ，6マナはちょっとだけ。穴埋め枠として+3/+2と帆凧がスタメン。

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⑨ダイヤ～ミシック帯にて。レア0枚。生物2マナ7枚，3マナ5枚，4マナ5マナ6マナは精鋭のみ。スペルは回収1枚と除去7枚とスペル土地1枚。コモンの噛み合いをねらっている。

☆赤黒パーティのポイント

・クリーチャーは殴れる２マナ～３マナを種族関係なく適当につまんでいく。このアーキの利点の1つ。

・赤戦士2/1/3はマナの注ぎ込み先になりえるので1枚なら許容。

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⑩2枚積んだ場合に重ね引くと残念になるので1枚ならおk。

・黒の1マナは環境にいないので，赤ならず者1/1/1は1枚拾っておくと吉。赤のならず者枠としても貴重な人材。

・3マナはマナが出る3/2が筆頭。戦士多めならと戦士がいると4/3になれる2/3もあり。地上パワー3や飛行パワー2でも及第。ただの地上2/3はNG

★「マナの出る3/2」が複数取れた場合は赤の非ウィザード2マナを意識してピックする。これは2ターン目「非ウィザード」→3ターン「マナの出る3/2」からパーティ2で赤2マナ→「赤の2マナアクション」をイメージしている。1ターンにならず者が出ていると最高。仮に黒マナが絡んで3ターンの3マナ+2マナアクションができなくても，4ターンに3マナ＋黒込み3マナといったことも可能のため「マナの出る3/2」を複数とることはデッキの最高速度を上げることができるといってよさそう。

ゴーマ・ファーダの先兵献身的な電術師